「親が倒れて救急搬送された」——突然の連絡に、頭が真っ白になっていませんか?何から手をつければいいのか、仕事はどうすればいいのか、不安でいっぱいだと思います。
結論:親が倒れたら、①まず病院へ向かい ②入院手続きと「限度額適用認定証」の申請をし ③早い段階で病院の相談員(MSW)とつながり ④退院後の生活を見据えて介護保険を入院中に申請する——この4つを押さえれば大丈夫です。焦らなくても、病院には家族を支える専門職がいます。
この記事では、病院のMSW(医療ソーシャルワーカー)として20年間、数え切れないご家族の「突然の入院」を支えてきた経験から、入院から退院までの流れとやるべきことを、順番にやさしく解説します。

【当日】まずやること
- 病院へ向かう(保険証・お薬手帳・診察券があれば持参)
- 医師の説明を聞く(病状・治療方針。メモを取ると後で役立ちます)
- 入院手続き(入院申込書・保証人など。その場で全部揃わなくても大丈夫)
- 職場へ連絡(まずは数日の休みを。介護休暇制度も使えます)
この段階では「治療は病院に任せ、家族は情報の整理役」と考えてください。すべてを一人で抱える必要はありません。
【数日以内】お金の手続き|限度額適用認定証
入院費が心配になると思いますが、日本には高額療養費制度があり、医療費の自己負担には上限があります。「限度額適用認定証」を申請して病院に提示すれば、窓口での支払いが最初から上限額までになります(マイナ保険証なら手続き不要の場合もあります)。親の加入する健康保険(後期高齢者医療など)の窓口で申請できます。
【入院中】病院の相談員(MSW)とつながる
ここが20年の経験から一番お伝えしたいことです。病院にはMSW(医療ソーシャルワーカー)や退院支援の看護師がいて、退院後の生活・お金・介護の相談に無料で乗ってくれます。「地域連携室」「医療相談室」という窓口です。
遠慮する方が多いのですが、早く相談した家族ほど、退院後の準備がスムーズになります。「退院後の生活が不安」と、そのまま伝えて大丈夫です。
【入院中】介護保険を申請する(重要)
倒れた後の生活に介護が必要になりそうなら、退院を待たずに、入院中に要介護認定を申請してください。認定には約1か月かかるため、退院後に申請すると「介護サービスが使えない空白期間」ができてしまいます。申請は親の住む市区町村の窓口か地域包括支援センターで、家族が代行できます。
【退院前】退院後の生活を決める
- 自宅に戻る:介護保険サービス+保険外サービスで支える体制を
- リハビリを続ける:回復期リハビリ病院・老健への転院
- 施設を検討する:在宅が難しい場合の選択肢
どれを選ぶかは、MSW・ケアマネと相談しながらで大丈夫です。「退院=介護の始まり」なので、自宅に戻る場合は、買い物・通院付き添い・見守りなどを頼めるサービスを今のうちに確認しておくと安心です。
よくある質問
Q. 遠方に住んでいて、すぐ行けません
まず病院に電話し、状況を確認してください。当面の対応は病院が行ってくれます。その後の体制づくりは「遠距離介護」の記事も参考にしてください。
Q. 入院費が払えるか不安です
限度額適用認定証で自己負担には上限があります。それでも難しい場合は、MSWに相談すれば分割や公的制度の案内をしてくれます。支払いを理由に治療を諦める必要はありません。
まとめ|この記事のポイント
最後に、この記事のポイントをおさらいします。
- 当日は病院へ向かい、治療は任せて情報整理役に徹する
- 限度額適用認定証で入院費の自己負担に上限
- 病院のMSW(相談員)に早めに相談=無料で退院まで伴走してくれる
- 介護保険は入院中に申請(空白期間を防ぐ)
- 退院後の生活は一人で決めず専門職と。サービスの確認も早めに