介護認定の申請方法を徹底解説【2026年版】元MSWが手順・注意点・よくある失敗をわかりやすく説明

「介護が必要になったけど、介護保険サービスを利用するにはどうすればいいの?」「介護認定の申請って難しそう…」と感じている方は多いのではないでしょうか。介護保険サービスを利用するためには、まず要介護認定(要支援・要介護の認定)を受ける必要があります。認定を受けてはじめて、訪問介護・デイサービス・施設入所などのサービスが介護保険の自己負担(原則1割)で利用できるようになります。本記事では、元医療ソーシャルワーカー(MSW)として数百件の介護相談を担当してきた経験をもとに、介護認定の申請方法・流れ・注意点を初めての方でもわかるように完全解説します。「親の介護が突然必要になった」「自分が申請することになった」という方もこれを読めば安心して手続きを進められます。

目次

介護認定(要介護認定)とは?基本からわかりやすく解説

介護認定とは、「どの程度の介護が必要か」を市区町村が公的に判定する制度です。40歳以上の方が加入する介護保険の認定区分は、要支援1〜2・要介護1〜5の計7段階+非該当(自立)に分かれます。認定区分によって利用できるサービスの種類と量(支給限度額)が異なります。介護保険サービスを使いたい場合は必ずこの認定を受ける必要があります。

認定区分と支給限度額の目安

認定区分状態の目安支給限度額(月額)自己負担(1割)目安
要支援1日常生活の一部に支援が必要約50,320円約5,032円
要支援2日常生活全般に部分的な支援が必要約105,310円約10,531円
要介護1立ち上がり・歩行が不安定約167,650円約16,765円
要介護2歩行や日常動作に何らかの介助が必要約197,050円約19,705円
要介護3排泄・入浴・衣服の着脱に全面的介助が必要約270,480円約27,048円
要介護4日常生活全般に全面的な介助が必要約309,380円約30,938円
要介護5意思疎通が困難・全介助状態約362,170円約36,217円

上記の支給限度額を超えてサービスを利用した場合は、超過分が全額自己負担になります。所得によっては2割・3割負担になる場合もあります。

介護認定の申請ができる人・条件

要介護認定を申請できるのは、以下の条件を満たす方です。

第1号被保険者(65歳以上):原因を問わず、日常生活に介護・支援が必要な状態であれば申請できます。

第2号被保険者(40〜64歳):加齢による特定疾病(がん末期・認知症・パーキンソン病・脳血管疾患など16疾病)が原因で介護が必要な状態の場合に申請できます。交通事故や怪我が原因の場合は介護保険の対象外です。

なお、申請先は住民票がある市区町村の担当窓口(介護保険課・高齢者支援課など)です。入院中でも・施設入所中でも申請は可能です。

介護認定の申請方法・手順【STEP別完全ガイド】

STEP1:申請窓口に連絡・相談する

まずは住民票のある市区町村の介護保険担当窓口または地域包括支援センターに連絡します。地域包括支援センターは「高齢者の総合相談窓口」で、申請の代行も行ってくれます。「親の介護が必要になった」「自分が申請したい」という旨を伝えると、担当者が丁寧に説明してくれます。病院に入院中の場合は、担当の医療ソーシャルワーカー(MSW)や退院支援看護師が手続きをサポートしてくれることがほとんどです。遠慮せずに「介護認定の申請をしたいのですが」と相談しましょう。

STEP2:申請書類を準備・提出する

申請に必要な書類は以下の通りです。

書類入手方法備考
介護保険要介護認定申請書市区町村窓口・公式HPからダウンロード可本人・家族・ケアマネでも提出可
介護保険被保険者証(介護保険証)65歳到達時に市区町村から郵送される40〜64歳は医療保険被保険者証で代用
本人確認書類マイナンバーカード・健康保険証・運転免許証等代理人が申請する場合は代理人の身分証も
かかりつけ医の情報病院名・医師名・連絡先主治医意見書の作成依頼先として必要

申請書は窓口での記入でも、自宅で記入して持参・郵送でも受け付けてもらえます。代理人(家族・ケアマネジャー・地域包括支援センター職員)による申請も可能です。

STEP3:認定調査(訪問調査)を受ける

申請後、市区町村から委託を受けた認定調査員(主にケアマネジャーや市区町村職員)が自宅・病院・施設に訪問し、本人の状態を調査します。調査時間は30分〜1時間程度。74項目の基本調査(身体機能・認知機能・問題行動・日常生活の自立度など)と、特記事項(日頃の様子を自由記述)の確認が行われます。

調査時の重要なポイント:調査時、本人は「できる」と見栄を張ってしまうことが多いです。「普段はどれくらいできていますか?」と聞かれると「一人でできます」と答えがちです。実際には転倒リスクが高かったり、夜中に徘徊していたりしても、本番だと普通にできてしまうこともあります。家族は必ず同席し、普段の生活の様子(最悪の状態・困っていること)を具体的に伝えるようにしましょう。「昨日は歩けていたけど一昨日は転んだ」「夜間に2〜3回起き出す」「薬の管理が一人では難しい」など、日頃から観察した具体的なエピソードを準備しておくことを強くお勧めします。

STEP4:主治医意見書の作成

市区町村がかかりつけ医(主治医)に対して「主治医意見書」の作成を依頼します。申請者側が主治医に直接依頼する必要はなく、市区町村が文書料を負担して直接依頼します。ただし、かかりつけ医が決まっていない場合は、事前に主治医を決めておくか、市区町村が指定する医師の診断を受ける必要があります。できれば、申請前に主治医に「介護認定の申請をします」と伝えておくとスムーズです。意見書に記載される診断名・機能評価・認知症の程度が認定結果に影響します。

STEP5:審査・判定(一次判定・二次判定)

認定調査の結果と主治医意見書をもとに、コンピュータによる「一次判定」が行われます。一次判定は基本調査74項目のデータをコンピュータが機械的に処理したもので、この時点での判定結果は仮のものです。その後、介護認定審査会(保健・医療・福祉の専門家で構成)が一次判定結果・主治医意見書・認定調査の特記事項を総合的に審査し、「二次判定」として最終的な認定区分を決定します。審査会での議論により、一次判定結果から区分が変更されることもあります(引き上げ・引き下げの両方向)。

STEP6:認定結果の通知・サービス利用開始

審査会の判定後、市区町村から「介護保険被保険者証(認定結果付き)」と「認定通知書」が郵送されます。申請から結果通知まで、原則として30日以内が目標とされていますが、実際には1〜2ヶ月かかるケースも多いです。認定結果を受けて、ケアマネジャー(介護支援専門員)を選び、ケアプラン(介護サービス計画書)を作成してもらってからサービス利用開始となります。要支援1・2の場合は地域包括支援センターがケアプランを担当します。

認定結果が実態と合わない場合:不服申し立て・区分変更申請

認定結果に納得できない場合

「明らかに状態が重いのに要支援1になった」「非該当(自立)と判定されたが実際は介護が必要」という場合は、以下の2つの手段があります。

①審査請求(不服申し立て):認定通知を受けてから3ヶ月以内に都道府県の介護保険審査会に不服申し立てができます。ただし審査に時間がかかる(数ヶ月〜1年)ため、急いでいる場合は下記の区分変更申請が実務的です。

②区分変更申請:認定後に状態が変化した、または認定結果が実態と異なると考える場合、いつでも区分変更の申請ができます。新規申請と同じ手続きで再評価してもらえます。不服申し立てより早く結果が出るため、実務では区分変更申請がよく使われます。認定調査時の特記事項や主治医意見書の内容が重要になるため、区分変更申請時には前回の調査での課題を踏まえて対策を立てましょう。

認定調査員に伝えるべき「日頃の状態」チェックリスト

認定調査では「日頃の状態」を正確に伝えることが最重要です。以下のチェックリストを参考に、調査前に家族でまとめておきましょう。調査員は訪問時間が限られているため、家族が事前にメモを用意して渡すことで、調査員も実態をより正確に把握できます。

身体機能・移動・日常動作

□ 立ち上がりに時間がかかる・手すりが必要
□ 歩行がふらつく・転倒しやすい(過去1年の転倒回数を記録しておく)
□ 階段の昇降に介助が必要
□ 食事が一人では難しい(こぼす・箸が使えない・飲み込みが悪い)
□ 排泄に介助が必要(失禁・ポータブルトイレ使用・オムツ使用の有無)
□ 入浴に介助が必要(浴槽に入れない・洗えていない部分がある)
□ 着替えに時間がかかる・ボタンが留められない

認知機能・行動面

□ 同じことを何度も聞く・繰り返し話す
□ 薬の管理が一人でできない(飲み忘れ・飲み過ぎが多い)
□ 金銭管理が難しくなった(ATMが使えない・釣り銭がわからない)
□ 火の消し忘れ・水の出しっぱなしがある
□ 夜間に徘徊・起き出すことがある
□ 日時・場所の見当識が低下している(今日の日付がわからない・自宅に帰れない)
□ 感情が不安定になった(暴言・暴力・抑うつ症状)

これらの状況について、「最悪の日の状態」「最近1ヶ月で一番困った出来事」を具体的にメモして調査員に渡しましょう。調査員も特記事項としてきちんと記録してくれます。

介護認定申請でよくある失敗・注意点

失敗①:認定調査時に「できる」と答えすぎる

前述の通り、本人が「大丈夫です」「一人でできます」と答えてしまい、実際の状態より軽く判定されるケースが頻発します。認定調査は「最も良い状態」ではなく「日頃の状態(特に悪い日・困っている状況)」を正確に伝えることが重要です。介護日誌をつけておく、家族が事前に書面で状況をまとめておく(特記事項メモを調査員に渡す)などの対策が有効です。

失敗②:かかりつけ医がいない状態で申請する

主治医意見書は認定に大きく影響します。定期的に診察している医師がいない場合、意見書の内容が薄くなり実態より軽く判定される可能性があります。申請前には必ずかかりつけ医を決め、普段から状態を診てもらっておくことが重要です。特に認知症の症状がある場合は、専門医(神経内科・精神科・もの忘れ外来)への受診歴が意見書に反映されることで適切な判定を受けやすくなります。

失敗③:申請から認定まで「待っている」だけになる

申請から認定結果が出るまで1〜2ヶ月かかります。その間も介護は必要です。認定申請中でも、暫定ケアプランを作成してサービスを利用開始することが可能です(認定結果が出た後に遡って保険給付が適用される)。急いでサービスが必要な場合は、申請と同時にケアマネジャーを探し始め、「暫定利用」の形でサービスを使いながら認定を待ちましょう。

失敗④:更新申請を忘れる

要介護認定には有効期間(初回は原則6ヶ月、以降は1〜3年)があります。有効期間満了の60日前から更新申請ができます。更新を忘れると認定が失効し、サービスが利用できなくなります。市区町村から更新案内が届きますが、ケアマネジャーがいる場合はケアマネが更新時期を管理してくれることが多いです。ケアマネ不在の場合は手帳やカレンダーに更新時期を記入しておきましょう。

介護認定後のサービス選び:ケアマネジャーの選び方

認定結果が出たら、次はケアマネジャー(介護支援専門員)を選びます。ケアマネはあなたの代わりに介護サービスのコーディネートを行う専門家で、ケアマネの質が介護生活の満足度に直結します。

ケアマネ選びのポイント①:担当エリアと対応の迅速さ
自宅の近くに拠点がある居宅介護支援事業所のケアマネを選ぶと、緊急時の対応が速く安心です。「電話・メールの返答が速い」「訪問してくれる頻度が十分か」も重要です。

ケアマネ選びのポイント②:本人・家族の意向を尊重してくれるか
「在宅で過ごしたい」「施設を検討したい」など本人・家族の希望をしっかり聞いてプランを立ててくれるケアマネを選びましょう。一方的に「うちの事業所のサービスを入れましょう」と特定業者を押し付けるケースは要注意です(利益相反の問題)。

ケアマネ選びのポイント③:複数の事業者から選べる提案をしてくれるか
ケアマネは特定のサービス事業者に偏らず、複数の選択肢を提示してくれることが理想です。地域のサービス事業者の情報に詳しく、「このヘルパー事業所はこういう特徴がある」と説明できるケアマネは信頼できます。

介護保険サービスの種類と特徴

要介護認定を受けたら、どんなサービスが使えるのでしょうか。主なサービスの種類を把握しておきましょう。

在宅で利用できるサービス(居宅サービス)

訪問介護(ホームヘルプ):ホームヘルパーが自宅を訪問し、身体介護(入浴・排泄・食事の介助)や生活援助(掃除・洗濯・買い物代行)を行います。要介護1以上が対象で、週2〜5回利用が一般的です。

訪問看護:看護師・准看護師が自宅を訪問し、医療的ケア(傷の処置・点滴管理・服薬指導・リハビリなど)を提供します。病院への通院が困難な方や、医療依存度の高い方に特に有効です。医師の指示が必要です。

通所介護(デイサービス):日帰りで介護施設に通い、食事・入浴・レクリエーション・機能訓練などを受けます。在宅介護を続けながら、家族の介護負担を軽減できます。週1〜5日利用が一般的です。

短期入所生活介護(ショートステイ):短期間(数日〜数週間)施設に入所し、日常生活の支援を受けます。家族が入院・旅行・休息(レスパイト)が必要な時に利用できます。緊急時の受け入れに対応している施設もあります。

福祉用具貸与・購入:車いす・歩行器・介護ベッド・手すりなどを低コストでレンタルできます。スロープや入浴補助用具など一部は購入補助(年10万円まで)もあります。要介護度によって対象用具が異なります。

住宅改修:手すりの取り付け・段差解消・床材の変更などの住宅改修費用に対して、20万円まで介護保険から9割給付が受けられます(1割自己負担)。ケアマネジャーが事前に申請書を提出する必要があります。

施設に入所するサービス

施設の種類対象費用目安(月額)特徴
特別養護老人ホーム(特養)要介護3以上6万〜15万円程度公的施設で低コスト。入居待機が長い(数ヶ月〜数年)
介護老人保健施設(老健)要介護1以上8万〜15万円程度リハビリを目的とした医療と介護の中間施設
グループホーム要支援2以上(認知症)10万〜18万円程度認知症の方が少人数で共同生活。地域密着型
有料老人ホーム(介護付き)要介護1以上15万〜40万円程度入居一時金が必要な場合あり。サービス充実だが高価
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)60歳以上(要介護でなくてもOK)12万〜30万円程度安否確認・生活相談が基本。外部サービスを組み合わせる

介護費用の自己負担と軽減制度

介護保険サービスの自己負担は原則1割ですが、高所得者は2割または3割になります。費用の把握と軽減制度の活用が家族の経済的負担を大きく左右します。

高額介護サービス費制度

1ヶ月に支払った介護サービスの自己負担が一定額を超えた場合、超過分が払い戻される「高額介護サービス費」制度があります。所得によって上限額が異なります(住民税非課税世帯は月15,000円〜24,600円、一般は月44,400円)。施設入所の場合は「補足給付(特定入所者介護サービス費)」という別の軽減制度もあります。住民税非課税世帯の方は、食費・居住費の自己負担が大幅に軽減されます。これらの申請を忘れている方が非常に多いため、ケアマネジャーや市区町村窓口に必ず確認しましょう。

医療費控除・障害者控除の活用

確定申告で介護関連費用の一部を医療費控除の対象にできます。訪問看護・訪問リハビリ・通所リハビリ・老健・グループホームの自己負担分が医療費控除の対象です。要介護2以上の方は「障害者控除対象者認定書」を市区町村に申請することで、障害者手帳がなくても確定申告で障害者控除(27万〜75万円)を受けられる場合があります。また、在宅介護で一定の要件を満たす場合は、住宅改修費も医療費控除に含められることがあります。税理士や市区町村の窓口で確認することをお勧めします。

介護認定後の生活設計:在宅か施設かを選ぶポイント

認定を受けたら「在宅で過ごすか、施設に入所するか」という大きな選択が待っています。以下のポイントを参考に家族で話し合いましょう。

考慮ポイント在宅介護が向くケース施設入所が向くケース
本人の希望「住み慣れた自宅にいたい」という強い希望がある「施設でプロに介護してもらいたい」という希望がある
介護の程度要支援〜要介護2程度で、在宅サービスで対応可能要介護3以上で医療的ケアや夜間介護が必要
家族の状況家族が近くにいて、緊急時に対応できる家族が遠方・高齢・体力的に在宅介護が難しい
認知症の程度軽度〜中等度で、デイサービス等で生活できる重度認知症で一人での安全確保が難しい
費用在宅サービスを最大限使っても月5万〜15万円程度施設によっては月15万〜40万円以上かかる場合も

「在宅か施設か」は一度決めたら終わりではありません。状態の変化・家族の状況変化に応じて柔軟に見直すことが大切です。在宅から施設、施設から在宅への移行も可能です。また、「施設に入所させると親に申し訳ない」という罪悪感を感じる家族も多いですが、無理をして在宅介護を続けることで家族全体が疲弊してしまうケースも非常に多く見てきました。親の安全・安心のためには施設入所が最善の選択となる場合も多いのです。ケアマネジャーや医療ソーシャルワーカーに率直に相談して、一番良い選択を一緒に探しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 申請から認定まで何日かかりますか?

A. 法律上は申請から30日以内に通知することが原則ですが、実際には1〜2ヶ月かかるケースが多いです。混み合っている地域や時期(年度末など)は特に時間がかかります。急いでサービスが必要な場合は暫定ケアプランを活用しましょう。

Q2. 家族が遠方にいる場合、本人だけで申請できますか?

A. 本人一人での申請も可能です。また、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所のスタッフが申請を代行してくれます。ただし認定調査時には、実態を正確に伝えるために家族が同席できると理想的です。どうしても同席できない場合は、電話やメモで調査員に日頃の状態を伝えましょう。

Q3. 介護認定を受けると、必ず施設に入らなければいけませんか?

A. そんなことはありません。介護認定を受けても在宅サービス(訪問介護・デイサービス・福祉用具貸与など)のみを利用することは自由です。施設入所するかどうかは本人・家族が選択することで、認定を受けたからといって施設入所を強制されることはありません。

Q4. 介護認定は何度でも申請できますか?

A. はい、何度でも申請できます。有効期間内でも「状態が悪化した」と感じれば区分変更申請ができます。有効期間が切れる前に更新申請もできます。「一度認定を受けたら終わり」ではなく、状態の変化に応じて適宜申請しなおすことが大切です。

Q5. 要支援と要介護の違いは何ですか?

A. 要支援は「日常生活は基本的に自分でできるが、一部支援が必要な状態」で、介護予防サービスが利用できます。要介護は「日常的な介護が必要な状態」で、より多くの介護サービスが利用できます。大きな違いはケアプランを作成する担当者(要支援→地域包括支援センター、要介護→ケアマネジャー)と利用できるサービスの種類・量です。

Q6. 入院中でも介護認定の申請はできますか?

A. できます。入院中の病院に申請書を持参するか、地域包括支援センターに連絡すれば手続きを進められます。入院中の場合は、担当の医療ソーシャルワーカー(MSW)または退院支援看護師が申請代行や調整をサポートしてくれます。退院後すぐにサービスを利用できるよう、入院中に申請を済ませておくことが理想的です。主治医は入院先の医師で構いません。意見書の作成も入院先の医師に依頼できます。

Q7. 介護保険料を払っていなかった場合、サービスは使えませんか?

A. 保険料の未払いがある場合、一時的にサービス費が全額自己負担となり、後から払い戻しを受ける「償還払い」扱いになることがあります。また、長期間の未納が続くと給付が差し止められるケースもあります。しかし、経済的な理由で保険料の支払いが困難な場合は、市区町村に申し出ることで保険料の減額・猶予措置を受けられる可能性があります。まずは市区町村の介護保険担当窓口に相談しましょう。

Q8. ケアマネジャーを変更したい場合はどうすればいいですか?

A. ケアマネジャーはいつでも変更できます。「相性が合わない」「対応が遅い」「希望が通らない」と感じたら、遠慮なく変更を申し出ましょう。変更の手順は、①新しい居宅介護支援事業所を探して契約する → ②現在のケアマネに「担当を変更したい」と連絡する の2ステップです。地域包括支援センターに相談すると、地域の信頼できる事業所を紹介してもらえます。ケアマネ変更はサービスの継続に影響しないので、合わないと感じたら早めに動きましょう。

介護認定申請に役立つ公的相談窓口

介護に関する不安や疑問は、以下の窓口に相談しましょう。すべて無料で利用できます。

地域包括支援センター:高齢者の総合相談窓口。介護認定の申請代行・ケアマネ紹介・介護予防プログラムの紹介など、幅広い相談に対応。自治体によっては「高齢者サポートセンター」「シルバー支援センター」などの名称の場合もあります。自宅の近くのセンターは市区町村公式ホームページまたは「地域包括支援センター + 市区町村名」で検索できます。

市区町村の介護保険担当課:介護保険証の交付・保険料に関する相談・認定申請の受付などを行います。認定結果の内容確認・不服申し立ての相談も対応してくれます。

医療ソーシャルワーカー(MSW):入院中は担当病院のMSWが退院支援・介護認定申請・施設探しをトータルサポートします。「退院後の介護が不安」という場合はまず主治医か看護師にMSWへの相談希望を伝えましょう。

介護相談員(有料老人ホーム・施設の担当者):施設入所を検討している場合は、施設の相談員に「今の状態でどの施設が適切か」を相談できます。複数施設を比較する際は、無料の施設紹介サービス(「けあナビ」「みんなの介護」等)の活用もお勧めです。

まとめ:介護認定申請のポイント一覧

項目内容
申請窓口住民票のある市区町村窓口・地域包括支援センター
申請できる人65歳以上(原因問わず)、40〜64歳(特定疾病が原因の場合)
必要書類申請書・介護保険証(または医療保険証)・本人確認書類・主治医情報
認定までの期間申請から原則30日以内(実際は1〜2ヶ月かかることも)
認定調査の注意点「最悪の状態」を正確に伝える。家族は必ず同席し具体的なエピソードを準備
認定結果に不満な場合区分変更申請(いつでも可)または審査請求(3ヶ月以内)
認定後の次のステップケアマネジャーを選び、ケアプランを作成してサービス利用開始
更新申請有効期間満了60日前から申請可。忘れるとサービスが利用できなくなる

介護認定の申請は「難しそう」と感じる方が多いですが、地域包括支援センターに相談すれば手続きのすべてをサポートしてもらえます。一番大切なのは「困ったら早めに相談する」こと。親の様子が気になったら、まず地域包括支援センターに電話してみてください。専門スタッフが丁寧に対応してくれます。介護は決して一人で抱え込まず、地域の専門家の力を借りながら一歩一歩進めましょう。

元MSWとして数百人の高齢者とその家族を見てきた経験から言えることは、「早めに動いた家族ほど後悔が少ない」ということです。「まだ元気だから大丈夫」と思っているうちに早め早めに準備を始めることが、大切な家族を守る第一歩です。本記事が皆さんの介護に関する不安を少しでも和らげる助けになれば幸いです。介護に関するご相談は、いつでもお近くの地域包括支援センターまでどうぞ。

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