認知症の親の徘徊|原因と対策・見守りの方法を元MSW20年が解説

公園を散歩する高齢者と付添い(認知症の徘徊・見守りのイメージ)

「認知症の親が、目を離したすきに家からいなくなってしまう」「事故に遭わないか、心配で夜も眠れない」——徘徊は、介護するご家族にとって最もつらく、気の休まらない問題の一つですよね。

結論:認知症の徘徊は「叱ってやめさせる」ものではなく、本人なりの理由があります。頭ごなしに止めるより、原因に寄り添いながら、見守りの仕組み(GPS・地域のSOSネットワーク・見守りサービス)で”安全に”備えることが、家族の安心につながります。

この記事では、元MSW(医療ソーシャルワーカー)として20年間、認知症のご家族を支えてきた経験から、徘徊の原因と対策・見守りの方法を、やさしく解説します。

公園を散歩する高齢者と付き添い(認知症の徘徊・見守りのイメージ)
目次

認知症の徘徊とは?なぜ起きるのか

徘徊とは、認知症の人が目的もなく歩き回っているように見える行動のこと。ですが、本人の中にはちゃんとした理由や目的があることがほとんどです。

  • 昔の記憶で「仕事に行く」「家に帰る」と思っている
  • 不安や落ち着かなさから、その場を離れたくなる
  • トイレや探し物など目的があって動いたが、道が分からなくなる
  • 体を動かしたい・退屈などの身体的な理由

「なぜ出ていくの!」と責めるのではなく、「何をしようとしているのか」を理解しようとすることが、対応の第一歩です。

徘徊で起きる危険

  • 交通事故・転倒・熱中症など命に関わる事故
  • 行方不明(発見が遅れると命の危険が高まる)
  • 線路への立ち入りなどで家族が高額な賠償を求められるケースも

だからこそ、「起きてから」ではなく「起きる前」に備えることが大切です。

徘徊を防ぐ・見守る5つの対策

  1. 本人の不安を減らす(安心できる声かけ・生活リズムを整える)
  2. 玄関に工夫をする(センサー・チャイム・鍵の位置を変える)
  3. GPS・見守り機器を活用(靴や衣類に小型GPSを)
  4. 地域の見守りネットワークに登録(自治体の「SOSネットワーク」など)
  5. 連絡先を身につけてもらう(名前・連絡先を書いたお守りや衣類タグ)

家族だけで24時間見守るのは不可能です。見守りや外出の付き添いを頼めるサービスを組み合わせると、介護する側の負担が大きく減ります。まずはどんな支援を頼めるか確認しておくと安心です。

万が一、いなくなったら

  1. すぐに警察へ連絡(「認知症でいなくなった」と伝える。ためらわない)
  2. 近所・立ち寄りそうな場所を確認する
  3. 自治体・地域包括支援センターに連絡し協力を求める
  4. GPSがあれば位置を確認する

「大げさかも」とためらわず、早く動くほど無事に見つかる可能性が高まります

使える制度・サービス

  • 地域包括支援センター:認知症介護の総合相談窓口(無料)
  • 徘徊SOSネットワーク:自治体・地域が連携して捜索・保護
  • GPS・見守り機器の助成:自治体によって費用補助あり
  • 介護保険外の見守り・付き添いサービス:家族の目の代わりに

介護者が一人で抱え込まないために

徘徊の対応は、24時間気が抜けず、介護する側が心身を消耗します。「自分が頑張らなきゃ」と抱え込まないでください。デイサービスやショートステイで休息をとり、地域包括支援センターやケアマネに相談しながら、支えを増やしていきましょう。介護する人が倒れてしまっては、共倒れになってしまいます。

よくある質問

Q. 鍵をかけて閉じ込めてもいい?

閉じ込めは本人の不安を強め、かえって興奮や事故につながることがあります。物理的に完全に防ぐより、GPSや見守りで「出ても安全に見つけられる」体制を整える方が現実的です。

Q. GPSを持たせても外してしまいます

靴の中敷き型や、衣類に縫い込むタイプなど、本人が気づきにくいGPSがあります。いつも履く靴に入れておくのがおすすめです。

まとめ|この記事のポイント

最後に、この記事のポイントをおさらいします。

  • 徘徊には本人なりの理由がある=叱らず理由に寄り添う
  • 事故・行方不明・賠償など危険が大きいので早めに備える
  • GPS・玄関の工夫・地域のSOSネットワークで見守る
  • いなくなったらためらわずすぐ警察へ
  • 介護者は一人で抱え込まずサービスと制度を頼る

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