【介護でお金がない】使える制度と相談先|元MSW20年が解説

「親の介護にこんなにお金がかかるなんて」「このままでは介護する自分の生活が破綻してしまう」——介護とお金の不安は、多くのご家族が口に出せずに抱えている切実な問題です。

元MSW(医療ソーシャルワーカー)として20年、お金の相談を数えきれないほど受けてきました。最初にお伝えしたいのは、日本の介護制度は「申請しないと使えない」制度だらけだということ。知らずに損をしている方が本当に多いのです。この記事で、使える制度と最後の安全網まで、順番に整理します。

目次

介護でお金が足りなくなる典型パターン

まず、なぜお金が足りなくなるのか。現場でよく見る3つのパターンです。

  • 在宅介護の長期化:毎月の自己負担+おむつ代・通院費がじわじわ家計を圧迫
  • 施設費用:特養でも月8〜15万円、有料老人ホームなら20万円超も。親の年金だけでは足りない
  • 介護離職による収入減:介護のために仕事を辞めた/減らした結果、世帯収入が激減

特に怖いのが3つ目。「介護のために仕事を辞める」と、親子共倒れのリスクが一気に高まります。辞める前に必ず制度を確認してください(後述)。

まず使うべき「負担を軽くする」公的制度7つ

支出を減らす制度から押さえましょう。どれも申請制です。

  1. 高額介護サービス費:1ヶ月の介護保険自己負担が上限額(住民税非課税世帯なら月24,600円など)を超えた分が戻る
  2. 負担限度額認定証:施設の食費・居住費が大幅に軽減。非課税世帯は必須。👉 負担限度額認定証とは?
  3. 高額医療・高額介護合算制度:1年間の医療費+介護費の合算が高額なとき還付
  4. 医療費控除:おむつ代(医師の証明書が必要)や一部の介護サービスも対象
  5. 特定入所者介護サービス費:上記②の正式名称。ショートステイの食費・滞在費も対象
  6. 住宅改修費・福祉用具購入費の支給:手すり・段差解消などに最大20万円(1〜3割負担)
  7. おむつ給付・税の障害者控除:自治体独自の現物給付や、要介護認定者への「障害者控除対象者認定」で所得税・住民税が軽くなる

⚠️ ⑦の「障害者控除対象者認定」は特に見落とされがち。要介護認定を受けていれば、障害者手帳がなくても市区町村の認定で控除が受けられる場合があります。役所の介護保険課か税務担当に「障害者控除対象者認定書はもらえますか」と聞いてみてください。

収入を確保・つなぐ制度

介護休業給付金(仕事を辞める前に!)

家族の介護のために休業すると、雇用保険から賃金の67%が最大93日分支給されます。「介護離職」する前に、まずこの制度で時間を稼ぎ、態勢を整えるのが鉄則。👉 介護離職を防ぐ方法 で詳しく解説しています。

障害年金

脳卒中の後遺症や認知症など、一定の障害状態にあれば、本人が障害年金を受給できる場合があります。年金事務所で相談を。

生活福祉資金貸付制度

低所得世帯向けに、社会福祉協議会が低利または無利子で貸付を行う制度。一時的に資金が必要なときの選択肢です。お住まいの社協に相談してください。

それでも厳しい時:生活保護と「在宅という選択肢」

制度を使い切ってもなお生活が成り立たないなら、生活保護は恥ずかしいことではなく、憲法で保障された正当な権利です。よくある誤解を解いておきます。

  • 「持ち家があると受けられない」→ 必ずしも×。住み続ける家なら認められるケースが多い
  • 「生活保護では特養に入れない」→ ×。多床室なら費用が保護費の範囲に収まり、入所できます。👉 特養に入れない7つの理由
  • 「親が生活保護だと子どもが扶養を強制される」→ ×。扶養は「できる範囲で」が原則で、強制ではありません

そして、見落とされがちな視点が「施設より在宅の方が安く済むケースがある」こと。施設は月8〜20万円かかりますが、在宅で介護保険サービス+必要な分だけ保険外サービスを組み合わせれば、月の支出を大きく抑えられる場合があります。

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施設費用が負担なら、在宅介護を続けながら足りない部分だけスポットで頼むのが賢い選択。1時間2,500円〜の介護保険外サービス「イチロウ」なら、「週1回の通院付き添いだけ」「家族が出張の3日間だけ」といった必要な分だけのピンポイント利用ができます。フルで施設に預けるより、トータルコストを抑えられるケースは少なくありません。

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まとめ:「申請しないともらえない」が鉄則

日本の介護のお金の制度は、黙っていても誰も教えてくれず、申請して初めて使えるものがほとんどです。今日ご紹介した制度のうち、一つでも「知らなかった」ものがあれば、それは取り戻せるお金かもしれません。

困ったときの相談先は、①地域包括支援センター ②市区町村の介護保険課 ③担当ケアマネジャー ④社会福祉協議会。どこも無料です。一人で抱え込まず、まずは電話一本かけてみてください。

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