「老人ホームに入れたいけど、年金だけで払える?」「自己負担はどのくらいかかる?」——そんな疑問を抱える家族はたくさんいます。
老人ホームの費用は月5万円〜50万円以上と幅が広く、何も知らないまま施設探しを始めると「思ったより高すぎる」と途方に暮れることになります。でも実は、介護保険・補助制度・費用軽減の仕組みを知っているだけで、実際の自己負担を大幅に下げられます。
医療ソーシャルワーカーとして20年間・数百件の施設入居相談に関わってきた経験から、老人ホームの費用のリアルと、賢く節約する方法をお伝えします。
老人ホームの月額費用の相場【2026年版】
| 施設の種類 | 月額費用目安 | 待機期間 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 6〜15万円 | 数ヶ月〜数年 | 公的施設で最安。要介護3以上が原則 |
| 介護老人保健施設(老健) | 8〜15万円 | 比較的短め | 在宅復帰を目指すリハビリ施設 |
| グループホーム | 10〜20万円 | 1〜3ヶ月 | 認知症専門。少人数でアットホーム |
| 住宅型有料老人ホーム | 10〜30万円 | ほぼなし | 自立〜要介護まで幅広く対応 |
| 介護付き有料老人ホーム | 15〜50万円 | ほぼなし | 24時間介護スタッフ常駐 |
| サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | 10〜25万円 | ほぼなし | 安否確認・生活相談が基本 |
年金だけで老人ホームに入れる?正直に答えます
厚生年金受給者(平均月14〜15万円)であれば、特別養護老人ホーム(月6〜15万円)なら年金だけで入居できる可能性が十分あります。ただし民間の介護付き有料老人ホームは月20〜40万円かかることが多く、年金だけでは厳しいのが現実です。
低年金・無年金の方でも使える「補足給付」制度があり、条件を満たせば食費・居住費が大幅に軽減されます。「年金が少ないから施設に入れない」と諦める前に、必ず制度を確認してください。
自己負担を減らす5つの補助・制度
① 補足給付(特定入所者介護サービス費)
世帯の収入・預貯金が一定以下の場合、介護保険施設(特養・老健など)での食費・居住費を軽減してもらえる制度です。月2〜5万円の節約になるケースも多く、低年金の方ほど効果が大きい制度です。市区町村の介護保険窓口で申請できます。
② 高額介護サービス費の払い戻し
1ヶ月の介護サービス費の自己負担が所得別上限(15,000〜44,400円)を超えた分は払い戻されます。申請を忘れる方が非常に多いので、ケアマネジャーに確認しましょう。
③ 医療費控除(確定申告)
特養・老健などの費用の一部は確定申告で医療費控除の対象になります。年間の医療・介護費用が10万円を超えたら必ず申告しましょう。
④ 特別養護老人ホーム(特養)に早めに申し込む
費用を抑えたいなら特養が最優先。要介護3以上で申請できます。待機が長いため「まだ早い」と思っても今すぐ複数の特養に同時申し込みするのがコツです。
⑤ 郊外・地方の施設を選ぶ
同グレードの老人ホームでも都心と郊外では月5〜15万円以上の差があります。家族が訪問しやすい範囲で少し郊外を選ぶだけで費用が大きく変わります。
よくある質問(Q&A)
Q. 老人ホームの費用は介護保険で賄えますか?
A. 介護保険は「介護サービス費」の1〜3割負担に使えますが、居室費・食費・日常生活費は全額自己負担です。介護保険だけで全額を賄うことはできません。
Q. 年金が月8万円以下でも入れる老人ホームはありますか?
A. 補足給付を活用すれば特養に月5〜8万円程度で入居できるケースがあります。また、生活保護を受給していても特養に入居できます。地域包括支援センターに相談してみてください。
Q. 親が認知症でも老人ホームに入れますか?
A. 入れます。グループホームは認知症専門施設で、少人数・アットホームな環境が特徴です。特養・有料老人ホームでも認知症対応が可能な施設がほとんどです。
まとめ
老人ホームの費用は高額に見えますが、補足給付・高額介護サービス費・医療費控除などの制度を知っているだけで自己負担を大幅に下げられます。「年金だけでは無理」と諦める前に制度を調べ、地域包括支援センターや病院のソーシャルワーカーに無料相談することをおすすめします。