「子どもの保育園の送迎と、親の病院の付き添いが重なってもう限界…」「育休中に親の介護が始まった」——これがダブルケアの現実です。
内閣府の調査では、育児と介護を同時に担う「ダブルケアラー」は全国に約25万人いるとされています。30〜40代の働き盛り世代に集中しており、仕事・育児・介護の三重苦で離職を余儀なくされるケースが急増しています。元医療ソーシャルワーカーとして20年間・数百件の相談に関わってきた立場から、ダブルケアの実態と使える制度・乗り越え方をお伝えします。
ダブルケア(ダブルケアラー)とは?
ダブルケアとは、育児と介護を同時に担う状態のことです。子育て中の30〜40代が、ちょうど親世代の介護が必要になる時期と重なることで起きます。
| 項目 | データ |
|---|---|
| ダブルケアラー人口(国内) | 約25.3万人(内閣府調査) |
| 女性の割合 | 約60%(女性に偏りやすい) |
| 主な年齢層 | 30〜40代が中心 |
| 就業への影響 | 約4割が「仕事に支障あり」と回答 |
| 離職経験 | 約17%が育児・介護を理由に離職 |
晩婚化・晩産化により、30代後半〜40代で子育て中に親の介護が始まるケースが増えています。女性だけでなく男性のダブルケアラーも増加しており、社会問題として注目度が高まっています。
ダブルケアラーが直面する3つの壁
① 時間の壁:1日24時間では足りない
子どもの保育園送迎・食事・お風呂と、親の通院付き添い・食事介助・服薬管理が同時に重なります。特に「子どもが熱を出した日に親の介護が急変する」というような緊急事態への対応が最大の難関です。
② お金の壁:育児費用+介護費用の二重負担
保育料(月3〜10万円)+介護費用(月5〜20万円)が同時にかかることも。離職すれば収入はゼロになり、貯蓄を切り崩す生活が始まります。
③ 精神的な壁:罪悪感と孤立
「子どもにしてあげられていない」「親に申し訳ない」という罪悪感を同時に抱えます。相談できる人が周囲にいないことも多く、孤立しやすい状況です。
ダブルケアラーが使える支援制度一覧
ダブルケアには、育児側・介護側それぞれの制度を組み合わせることが重要です。
【介護側】使える制度
| 制度名 | 内容 | 申請先 |
|---|---|---|
| 介護休業給付金 | 休業前賃金の67%を最大93日支給 | 会社→ハローワーク |
| 介護休暇 | 年5〜10日の休暇(有給不可でも取得可) | 会社に申請 |
| 介護保険サービス | デイサービス・訪問介護・ショートステイ | 市区町村→ケアマネ |
| 高額介護サービス費 | 月の介護費用が上限超過分を払い戻し | 市区町村 |
| 補足給付 | 低所得者向け食費・居住費の軽減 | 市区町村 |
【育児側】使える制度
| 制度名 | 内容 | 申請先 |
|---|---|---|
| 育児休業給付金 | 休業前賃金の最大80%(180日まで) | 会社→ハローワーク |
| 保育園の優先入園 | ひとり親・就労中は点数加点あり | 市区町村 |
| ファミリーサポート | 地域住民が保育を助け合う仕組み(安価) | 市区町村 |
| 子育て短期支援事業 | 保護者が介護等で子どもを見られない時の預かり | 市区町村 |
💡 制度が複雑でどこから手をつければいいかわからない方へ
ダブルケアの場合、育児側と介護側の両方の制度を同時に把握する必要があります。まず地域包括支援センター(介護側)と子育て支援センター(育児側)にそれぞれ相談し、介護部分は民間サービスで補うのが効果的です。
介護の柔軟対応はイチロウに相談する →ダブルケアと仕事を両立するための5つのコツ
① 「完璧にやらない」と決める
育児も介護も「完璧にやろう」とすると必ず限界が来ます。「子どもの食事は市販品でもいい」「親の入浴は週3回でもいい」と割り切ることが長続きのコツです。
② 介護サービスを最大限に使う
ケアマネジャーに「仕事と育児もあるので介護に使える時間が少ない」と正直に伝えましょう。デイサービス・訪問介護・ショートステイを組み合わせて、介護に使う時間を最小限に抑えます。
③ 介護保険外サービスで「隙間」を埋める
介護保険サービスは時間や内容に制限があります。「夜に急に親の様子がおかしい」「早朝の通院付き添い」など保険外の場面は、民間サービスを活用しましょう。
④ 職場に正直に伝える
「ダブルケアをしている」と職場に伝えることで、介護休業・短時間勤務・テレワークなどの制度を使いやすくなります。隠したまま無理をすると突然のSOSになってしまいます。
⑤ ダブルケアの相談窓口を知っておく
- 地域包括支援センター:介護の相談窓口(無料)
- 子育て支援センター:育児の相談窓口(無料)
- NPO法人フローレンス:ダブルケア支援に取り組むNPO
- ダブルケアラーコミュニティ:同じ立場の人とつながれるオンラインコミュニティ
よくある質問(Q&A)
Q. ダブルケアで離職した場合、失業保険はもらえますか?
A. 介護を理由にした離職は「特定理由離職者」として認定される可能性があります。認定されると給付制限なし・給付日数が増えるため、ハローワークで相談してください。
Q. 育休中に介護が始まりました。育休は取り消されますか?
A. 育休は継続できます。介護休業は別途取得可能です。ただし同時並行の取得には条件があるため、会社の人事部に相談しましょう。
Q. ダブルケアの支援団体はありますか?
A. 「一般社団法人日本ケアラー連盟」や「NPO法人フローレンス」がダブルケアの支援活動を行っています。オンラインコミュニティもあり、同じ立場の人との情報交換ができます。
Q. 親が遠方に住んでいてもダブルケアになりますか?
A. なります。遠距離介護+育児の組み合わせも増えています。この場合は介護保険サービスに加え、民間の訪問サービスや見守りサービスの活用が特に重要です。
まとめ:一人で抱え込まず、制度とサービスを使い倒す
ダブルケアは「頑張れば乗り越えられる」問題ではありません。制度とサービスをフル活用して、自分の負担を分散させることが唯一の解決策です。
- 介護側:介護休業給付金・ケアマネ・デイサービス・民間介護サービス
- 育児側:育児休業給付金・ファミサポ・子育て短期支援事業
- 職場:介護休業・短時間勤務・テレワーク制度の活用
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※本記事は元医療ソーシャルワーカー(MSW)として20年間・ダブルケア相談を含む数百件の介護相談に関わってきた経験をもとに執筆しています。制度の詳細は各窓口・専門家にご確認ください。
