認知症で使える減税・税金控除まとめ【元MSWが解説】障害者控除・医療費控除・相続税控除

確定申告・税金控除のイメージ

「親が認知症と診断されたけど、税金の控除って使えるの?」——MSW(医療ソーシャルワーカー)として働いていた17年間、こうした質問を受けたことは数えきれないほどあります。実は、認知症の方とその家族は複数の税制優遇・控除を受けられる可能性があります。知っているだけで年間数十万円の節税になることも。この記事ではMSW視点で、使える制度を網羅的に解説します。

⚠️ 注意:税制は毎年改正されます。実際の申告の際は税務署・税理士にご確認ください。この記事は一般的な情報提供を目的としています。
目次

①障害者控除(最も重要・見逃しが多い!)

認知症の方に関して、最も見逃されている控除が「障害者控除」です。

障害者手帳がなくても、市区町村から「障害者に準ずる者」として認定を受ければ障害者控除が適用されます

障害者控除の金額

区分 控除額 認知症での該当目安
障害者控除 27万円 要介護1〜2程度
特別障害者控除 40万円 要介護3以上・常時介護が必要な状態
同居特別障害者控除 75万円 特別障害者と同居している場合

認定の取り方

  1. 市区町村の福祉窓口に「障害者控除対象者認定書」の発行を申請する
  2. 要介護認定の状況・日常生活の状況を審査される
  3. 認定書が発行されたら確定申告時に使用する
💡 MSWからのポイント:障害者手帳を持っていなくても、要介護3以上なら「特別障害者」に該当する可能性が高いです。控除額の差(27万円 vs 75万円)は非常に大きいので、必ず確認してください。認定書の申請は無料です。

②医療費控除

認知症に関わる医療費・介護費用の一部は、医療費控除の対象になります。

認知症で医療費控除の対象になるもの

費用の種類 対象
診察費・入院費・投薬費 ✅ 対象
訪問看護の費用 ✅ 対象
介護保険サービス(一部) ✅ 一部対象(居宅サービス等)
特養・老健の介護費・食費 ✅ 一部対象
おむつ代(医師の証明書付き) ✅ 対象(「おむつ使用証明書」が必要)
有料老人ホームの介護費 ✅ 介護費部分のみ対象

控除の計算式:(年間医療費合計 − 10万円)× 所得税率 = 節税額

例)年間医療費100万円・所得税率20%の場合:(100万円 − 10万円)× 20% = 18万円の節税

③成年後見制度を利用している場合の控除

認知症が進行して成年後見制度を利用している場合、成年後見人への報酬は医療費控除の対象にはなりませんが、障害者控除の対象になる場合があります

また、被後見人(認知症の親)本人の確定申告を後見人が代わりに行うことも認められています。後見人になったら税務署に相談しましょう。

④相続税の障害者控除

認知症の方が亡くなった場合の相続において、相続人が障害者である場合に相続税が軽減される「障害者控除」があります。

  • 一般障害者:(85歳 − 相続時の年齢)× 10万円
  • 特別障害者:(85歳 − 相続時の年齢)× 20万円

例)70歳で相続し特別障害者の場合:(85 − 70)× 20万円 = 300万円の控除

⑤固定資産税の減免(自治体によって異なる)

一部の市区町村では、要介護認定を受けた方・障害者の方の固定資産税を減免する制度があります。お住まいの市区町村に確認してみましょう。

申告・手続きのまとめ

制度 申請先 タイミング
障害者控除(認定書取得) 市区町村福祉窓口 年内(確定申告前)
医療費控除 税務署(確定申告) 翌年2〜3月
おむつ代証明書 かかりつけ医 年内
相続税障害者控除 税務署(相続税申告) 相続発生後10ヶ月以内

よくある質問

Q. 親が施設にいて同居していなくても障害者控除は使えますか?
A. 「同居特別障害者控除」(75万円)は同居が要件ですが、「特別障害者控除」(40万円)は同居不要です。施設入居中でも適用できます。

Q. 過去にさかのぼって申告できますか?
A. 確定申告は5年間さかのぼって修正申告が可能です。過去に申告していなかった方も、今から申告することで還付を受けられる可能性があります。

Q. 認知症でなくても要介護なら使えますか?
A. はい。障害者控除対象者認定は認知症に限らず、要介護状態であれば認定される可能性があります。

まとめ

認知症に関わる税制優遇は、申請しなければ一切受けられないものばかりです。年間で数十万円の節税になる可能性がある大切な制度です。

📋 今すぐやることチェックリスト

  • ☑️ 市区町村に「障害者控除対象者認定書」の申請をする
  • ☑️ 医療費の領収書を年間通して保管する
  • ☑️ おむつ代がある場合は主治医に証明書を依頼する
  • ☑️ 確定申告で障害者控除・医療費控除を申告する
  • ☑️ 過去5年分も確認して修正申告を検討する

介護にかかるお金は多岐にわたります。使える制度を最大限活用しながら、在宅での生活を支える選択肢も一緒に考えてみましょう。

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