介護離職を防ぐための7つの制度と手続き【2026年最新・給付金受取り方まで解説】

「仕事を続けながら親の介護をするのは無理かも…」と感じている方へ。介護離職は決して「仕方がない選択」ではありません。実は、知っておくべき制度と手続きを活用すれば、多くのケースで仕事と介護の両立が可能です。この記事では、介護離職を防ぐための7つの制度を、申請手順まで含めて徹底解説します。

目次

なぜ今、介護離職が問題なのか

日本では年間約10万人が「介護・看護」を理由に離職しています(総務省調査)。離職後の影響は深刻で、収入減少・キャリア断絶・老後の年金減少に直結します。特に40〜50代での離職は再就職が難しく、経済的ダメージが長期化します。

離職後のリスク具体的な影響10年後の試算
収入減少年収500万→0〜200万円程度累計損失2,000〜3,000万円
年金減少厚生年金加入期間が短縮老後の受給額が月5〜10万円減
社会保険喪失健康保険・厚生年金が任意継続か国保へ保険料負担が2倍以上になることも
再就職困難45歳以上の正規雇用は困難非正規・無職のリスク上昇
精神的孤立職場コミュニティからの孤絶介護者うつのリスク増加

介護離職を防ぐ7つの制度【完全比較】

制度名内容期間・日数給付金申請先
介護休業対象家族1人につき通算93日まで休める93日(3回まで分割可)休業前賃金の67%ハローワーク
介護休暇介護・通院付き添いなどに使える年5日(対象家族2人以上は10日)会社規定による(無給も可)会社へ申出
所定外労働免除残業免除を請求できる介護が終わるまで(制限なし)通常賃金(残業代なし)会社へ申出
時間外労働制限月24時間・年150時間を超える残業を拒否できる介護が終わるまで通常賃金会社へ申出
深夜業制限午後10時〜午前5時の深夜勤務を拒否できる介護が終わるまで(6ヶ月ごと更新)通常賃金(深夜割増なし)会社へ申出
短時間勤務等勤務時間短縮・フレックス・在宅勤務への変更請求介護が終わるまで(利用開始から3年以上)短縮分は減給の可能性あり会社へ申出
介護休業給付金介護休業中の収入補填休業中(93日以内)休業前賃金の67%ハローワーク

介護休業給付金の受け取り方【ステップ別手順】

介護休業給付金は、知っていれば確実に受け取れる給付です。93日間の休業に対して、最大で賃金の67%が支給されます。申請手順を正確に押さえておきましょう。

ステップ内容担当者タイミング
①介護休業の申出開始予定日の2週間前までに書面で会社へ本人→会社休業開始の2週間前
②雇用保険の確認雇用保険に1年以上加入・週3日以上勤務が条件本人確認申出前
③介護対象の確認配偶者・父母・子・配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹・孫が対象本人確認申出前
④会社が申請書類を準備「介護休業給付金支給申請書」を会社が作成会社の人事・総務休業終了後速やかに
⑤ハローワークへ申請休業終了日の翌日から起算して2ヶ月以内に申請会社→ハローワーク休業終了後2ヶ月以内
⑥給付金振込申請から約1〜2週間で指定口座へ振込ハローワーク申請後1〜2週間

介護休業の「93日」を賢く使う分割活用術

介護休業の93日は、一度にまとめて取る必要はありません。3回まで分割して取得できます。介護の山場(入院・手術・施設探し・退院調整)に合わせて計画的に使うのが賢い方法です。

活用例1回目2回目3回目残日数突然の入院対応型入院直後に30日(施設探し・退院調整)施設入所手続きに21日状態悪化時に30日12日残る在宅介護継続型介護認定申請期間に10日ケアプラン作成・サービス調整に20日症状悪化・入院時に60日3日残る遠距離介護対応型看取り期前の集中対応に40日手続き・整理のために30日緊急対応のために20日3日残る

会社に言いにくい…「介護を理由にした不利益取扱い」は違法

「介護休業を取ったら評価が下がるかも」「上司に嫌な顔をされそう」という心配は多くの方が抱えています。しかし法律は明確に保護しています。

育児・介護休業法が禁止する行為

✅ 介護休業の申出・取得を理由とした解雇
✅ 降格・減給・賞与カット
✅ 不利益な異動・配置転換
✅ 休業申出を妨げるハラスメント(ケアハラスメント)
違反した会社は都道府県労働局の行政指導・公表・過料の対象になります。

介護費用の自己負担を減らす「お金の制度」5選

制度名対象軽減効果申請先
高額介護サービス費介護保険サービス利用者全員月の自己負担が上限額を超えた分を還付市区町村窓口
負担限度額認定証低所得者(住民税非課税世帯等)施設入所時の食費・居住費を大幅軽減市区町村窓口
高額医療・高額介護合算制度医療と介護の両方を利用している世帯医療費+介護費の年間上限額を設定各保険窓口
介護休業給付金雇用保険加入の休業者休業中も賃金の67%を補填ハローワーク
医療費控除(確定申告)介護保険サービス利用者対象費用を所得から控除→税金軽減税務署(e-Tax可)

「仕事と介護の両立」を実現する職場環境チェックリスト

制度を使いやすい職場かどうか、事前に確認しておくことが大切です。

チェック項目確認方法理想の状態
介護休業制度の社内規程があるか就業規則・人事担当者に確認法定93日以上、取得実績あり
テレワーク・在宅勤務が利用可能か就業規則・上司に確認週2〜3日在宅が認められている
短時間勤務制度があるか就業規則確認法定3年以上、1日6時間勤務可
上司・同僚への相談環境があるか職場の雰囲気・相談窓口の有無介護経験者の先輩がいる
EAP(従業員支援プログラム)があるか人事担当者・福利厚生一覧カウンセリング・介護相談が無料

ケアマネジャーへの相談が最初の一歩

介護離職を防ぐために最も重要なのは、「一人で抱え込まないこと」です。まず地域包括支援センターに連絡し、要介護認定の申請とケアマネジャーの選任を進めましょう。ケアマネジャーは、介護サービスの調整だけでなく、仕事との両立についてのアドバイスも行います。

💰 介護費用の不安はFPに相談しよう

介護にかかる費用、給付金の活用、老後資金の計画…複雑でわかりにくい「お金の問題」は、ファイナンシャルプランナーに相談するのが一番の近道です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 介護休業は有給休暇と一緒に使えますか?

はい、可能です。介護休業中に有給休暇を取得することができます。ただし有給休暇取得中は「休業」とみなされないため、介護休業給付金の対象外となります。給付金を最大限受け取りたい場合は、有給と休業をどう組み合わせるか計画的に考えましょう。

Q2. 介護休業の申出を会社に拒否されました。どうすればいいですか?

原則として会社は介護休業の申出を拒否できません。拒否された場合は、都道府県労働局の「総合労働相談コーナー」または「都道府県労働局雇用環境・均等部(室)」に相談してください。匿名での相談も可能です。

Q3. パートタイムでも介護休業給付金はもらえますか?

一定の条件を満たせばもらえます。①雇用保険に12ヶ月以上加入、②休業開始前2年間に11日以上働いた月が12ヶ月以上ある、③週の所定労働日数が3日以上(または週20時間以上)、これらすべてを満たす場合に受給資格があります。

Q4. 介護休業を取らずに済む方法はありますか?

デイサービス・訪問介護・ショートステイなどの介護サービスを早期から活用することで、休業しなくても仕事を続けられるケースは多くあります。介護休業は「最後の手段」ではなく「必要な時に使えるセーフティネット」として温存しておくことも大切です。

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