「親が認知症になってから慌てて手続きしようとしたら、もう手遅れだった…」――17年間MSW(医療ソーシャルワーカー)として、こんなご家族の後悔を数え切れないほど見てきました。実は認知症が進行してからでは「ほぼ何もできなくなる」のが現実です。この記事では、親が元気なうちにやっておくべき5つの手続きを、現場の実例とともにわかりやすく解説します。
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認知症が進む前にやっておくこと、たくさんあります。MSWとして17年、後悔されるご家族を何度も見てきました。
手続き①|家族信託で財産管理を準備する
家族信託は、親が元気なうちに「信頼できる家族に財産管理を任せる」契約。認知症になっても、預貯金の引き出し・不動産の売却・賃貸契約などがスムーズにできます。
家族信託でできること
- 親の預貯金から介護費用を引き出せる
- 実家を売却して施設入居費に充てられる
- 賃貸物件の管理・家賃徴収を任せられる
費用と注意点
初期費用は30〜100万円程度。司法書士・弁護士に依頼するのが一般的です。親の意思能力が低下する前に契約しないと無効になります。
手続き②|エンディングノートで意思を残す
エンディングノートは法的拘束力はないものの、家族が後で困らないための「親の意思」を書面で残す大切なツールです。
書いておくと家族が助かる内容
- 医療・介護の希望(延命治療・施設入居・在宅介護)
- 葬儀・お墓の希望(家族葬・永代供養など)
- 財産・口座情報(銀行・保険・年金)
- 連絡先リスト(友人・親戚・かかりつけ医)
書店で1,000円程度で買えるノートで十分。親と一緒に少しずつ埋めていくのがおすすめです。
手続き③|任意後見契約を結んでおく
任意後見契約は、「将来、判断能力が低下した時に後見人になってもらう人」を元気なうちに指定しておく制度です。
認知症発症後の「法定後見」と違い、後見人を自分で選べる・本人の意思が反映されやすいというメリットがあります。公正証書で作成するため、費用は10〜20万円程度です。
手続き④|実家・財産の整理を始める
親が亡くなった後、ご家族が一番大変なのが「実家じまい」と「遺品整理」。元気なうちに少しずつ整理を始めると、ご家族の負担が劇的に軽くなります。
元気なうちにやっておく整理3つ
- 不要品の処分(思い出のあるものは親が判断できるうちに)
- 重要書類の整理(年金手帳・保険証券・不動産登記簿など)
- デジタル遺品の準備(パスワード一覧・サブスク契約リスト)
大変な場合は、生前整理を専門にする業者に依頼するのも選択肢です。
手続き⑤|医療・介護の希望を家族で話し合う
「延命治療はどこまで望むか」「自宅で看取りたいか・施設がいいか」――こうした医療・介護の希望は、認知症が進む前に家族で話し合っておきましょう。
ACP(人生会議)の進め方
- 親の本音を聞く(決して急かさない)
- かかりつけ医にも相談(医学的観点を加える)
- 定期的に話し合いを更新する(気持ちは変わる)
よくある質問
Q. 親が「縁起でもない」と話を嫌がります
A. いきなり全部話そうとせず、テレビ番組や知人の話をきっかけに「ところでお父さんは…」と少しずつ広げるのがおすすめです。
Q. 5つ全部やるべき?優先順位は?
A. 財産が多いご家庭は①家族信託、判断能力に不安が出てきたら③任意後見、いつでもできるのは②エンディングノートと⑤話し合いから。
Q. 認知症と診断された後でもできる手続きはありますか?
A. 初期段階なら一部の契約は可能ですが、判断能力の鑑定が必要になります。診断後は「法定後見制度」の利用が中心になります。
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全部いきなりやる必要はありません。エンディングノートから少しずつ始めるのがおすすめです。
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まとめ|5つの手続きで「親も家族も安心」
認知症は誰にでも起こりうること。だからこそ、元気なうちの準備が、親も家族も守る最大の手段です。
5つの手続きまとめ
- ✅ ①家族信託:財産管理を信頼できる家族に任せる
- ✅ ②エンディングノート:意思を書面で残す
- ✅ ③任意後見契約:後見人を元気なうちに指定
- ✅ ④実家・財産の整理:少しずつ始める
- ✅ ⑤医療・介護の希望を話し合う(人生会議)
全部いきなりやる必要はありません。一番取り組みやすいエンディングノートから始めてみるのがおすすめです。ご家族との会話のきっかけにもなりますよ。
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